excel開発で引き継ぎ失敗しない3つのポイント

開発者が退職してvbaで開発されたシステムを改修できない!

どの職場でも、よくある悩みですがこうなってしまっては後の祭りです。
本来、システム開発のあるべき姿は、運用、保守、そして引継ぎまで設計されて作成されるべきです。
しかしながら、Excelのシステムは開発しやすいが故に、
予算も低く見積もりがちで何かしらの過程が抜けているパターンがよくあります。
これが引継ぎに失敗する原因になります。
今回は、今後同じことが起こらないように、システム開発時に行わなければいけない3つのポイントを順に説明していきます。

1.作業マニュアルを作成しよう
2.修正内容も資料化しよう
3.システム開発のルール(規約)を決めよう
4.まとめ

excel-Inheriting

1.作業マニュアルを作成しよう

システムの日々の運用手順をマニュアル資料を作成記します。
この資料がシステムの引き継ぎ時にも活用できますから、テキストの説明を控えめにして画面コピーをまじえて
どこを押したらどうする…という過程を矢印でつなげたりして
誰にもわかりやすいマニュアルを作るべきです。
マニュアルのツールはExcelで良いでしょう。
例えば帳票の出力先や取り込み先ファイルの場所なども画面コピーと少量の説明文があれば、誰にでもわかりやすいマニュアルになるでしょう。
また、作業仕様の変更があった場合は、必ずその度に最新化しましょう。

2.修正内容も資料化しよう

とても重要な作業です。開発時は単純なコードでも修正を経ることにより、複雑化していきますから、修正履歴と修正手順を記した資料を修正の度記す様に努めましょう。
こちらもExcelで編集していきます。
修正履歴履歴には、修正日、修正場所、修正内容(〇〇のため××を修正)といった修正内容を記していきます。
修正手順は、大きい修正ならどこのコードをどう変えたか、画面のレイアウトをどう変えたか、
というような事柄を新旧の差分がわかるよう記しましょう。
小さい修正なら修正内容の箇条書き程度でも大丈夫です。
大事なのはどんな経緯で、今のシステムになぜこうなっているのか、後任者にを引き継げることが出来ます。

3.システム開発のルール(規約)を決めよう

最後が今回もっとも重要な作業です。
開発者によって開発手法はまちまちです。
帳票などの取り込みデータファイルの種類、ファイルの保管場所、ファイルの名前の決め方、先述の作業マニュアルや修正手順資料も
あらかじめルールがあれば誰が担当しても同じ手法で作業することができます。

それぞれ以下の様にデータの規約を決める

・取込みデータファイルのデータ形式

csv形式にそろえます。計算ソフトやデータベースソフトで汎用的に使えるますし、どんなツールからでも汎用的に加工できるからです。
・ファイルの保管場所
マスタデータはこのフォルダ、加工済データはこのフォルダと決めておく。あまり厳密になると今度は探すのに手間がかかるので、ざっくりと決めても良いでしょう。

・ファイルの名前の決め方

ファイルの内容_日付_枝番…という風に命名する順番や要素間を「_(アンダーバー)」で区切るなどすれば、ファイルの保管場所のルール化とともに検索にもかけやすいですし目で見ても探しやすいものになるでしょう。

・修正手順

後で何を変更したか分かる様に世代管理をしておくと良いでしょう。
手順の例をあげますと、

(1)本稼働用のフォルダから修正・変更用フォルダにコピーします
(2)担当者が修正を行い、その後に第三者の確認を受けます
(3)既存の本稼働ファイルを、バックアップフォルダに移動します
(4)修正したファイルを本稼働用フォルダにコピーします
本稼働中のファイルを上書き消去してしまわない様に、もし上書きしてしまったり壊してしまっても、元に戻すことが出来ます。

まとめ

引き継ぎに失敗して、とられる時間のことを考えると引継ぎ体制は開発と並行して準備するべきでしょう。
もし、現状のシステムで引継ぎ体制が整っていないのならば、早めに資料や規約を整頓する作業を一刻も早く取り組んでみましょう。