
製造現場のご担当者さまから、こんなお話をよく伺います。
「生産計画も進捗も、全部エクセル管理です」
「ファイルが多すぎて、どれが最新か分からない」
「現場からの報告が遅れて、納期ギリギリでバタバタする」
エクセルは手軽で柔軟な反面、 会社の成長とともに「限界」を迎えやすいツールでもあります。
とはいえ、 「いきなり数千万円の生産管理パッケージを導入しましょう」 というのも、現実的ではありません。
この記事では、中小製造業が“ムリなく”エクセル生産管理から卒業するための3ステップを、
できるだけ具体的に整理してみます。
1.なぜエクセル生産管理が“限界”を迎えやすいのか

まずは、エクセル生産管理の「強み」と「弱み」を整理します。
エクセル生産管理の強み
- 現場主導で、すぐに作れる
- ちょっとした変更にも柔軟に対応できる
- 導入コストがほぼゼロ
スタートアップ的なフェーズでは、エクセルは本当に頼れる存在です。
問題は、それを「ずっと使い続けてしまう」ことにあります。
エクセル生産管理の典型的な“限界”パターン
- 担当者以外はファイルの構造が分からない(属人化)
- コピペや手入力が多く、入力ミスが頻発する
- ファイルが複数拠点、複数PCに散らばり、整合が取れない
- データ量が増え、開くだけで数分かかる
結果として、
「リアルタイムで状況を知りたい経営層」
「現場の負担を軽くしたい工場長」
「納期調整・段取りに追われる現場リーダー」
のストレスが、じわじわと積み上がっていきます。
2.”いきなり大規模パッケージ導入”が失敗しがちな理由
「エクセルは限界だから、有名な生産管理パッケージを入れよう」
この流れ自体は間違っていないのですが、
「いきなり大きく変えすぎる」ことにリスクがあります。
よくある失敗例としては、
- 機能が多すぎて、現場が使いこなせない
- 自社の業務フローとパッケージの前提が合わず、逆にムダな作業が増える
- カスタマイズを重ねた結果、結局「高価な専用システム」と変わらない状態に
中小企業の場合、
「今の業務を、どう変えたいのか」
「どこから着手するのが、コスパが良いのか」
を整理する前にパッケージ選定に入ってしまうと、
「高い買い物をしたのに、全然使われないシステム」になってしまうことも珍しくありません。
3.ステップ①:現状の業務フローと情報の流れを見える化する

最初のステップは、システムの検討に入る前に、業務を見える化することです。
3-1. “紙1〜2枚”レベルの業務フローを書き出す
完璧な業務フロー図を作る必要はありません。 まずは、次のような情報をざっくりと整理します。
- 受注 → 生産計画 → 現場指示 → 進捗報告 → 出荷
といった、大きな流れ - どの工程で、どのエクセルファイルを使っているのか
- 誰が入力し、誰が確認し、誰が承認しているのか
ホワイトボードでも手書きでも構いません。
「今、どこで手作業が多いのか」
「どこで情報が止まりやすいのか」
を洗い出すことが大切です。
3-2. “困りごとランキング”を作る
見える化をした後は、 現場メンバー・工場長・管理者などと一緒に、
1位:これだけは最優先で何とかしたい
2位:できれば近いうちに改善したい
3位:余裕があれば着手したい
という形で、困っているポイントに優先順位をつけます。
ここまで整理できると、
「どの業務からシステム化すべきか」が見えやすくなります。
4.ステップ②:まずは“ミニ生産管理システム”から始める

いきなりすべてをシステム化しようとせず、
1〜2つの領域に絞った“ミニ生産管理システム”から始めるのがおすすめです。
4-1. ミニ生産管理システムの例
- 「仕掛品・在庫の見える化」だけをシステム化
- 「生産指示と進捗報告」をWeb画面にして、エクセル集計をなくす
- 「受注〜生産〜出荷」のステータスを一覧で見えるようにする
こういった“小さめのシステム”でも、
- 紙のチェックリストやホワイトボードが不要になる
- 報告の電話・メールが減る
- 工場長や管理者が現場の状況を一目で確認できる
など、効果は決して小さくありません。
4-2. 徐々に“エクセルを外していく”イメージ
いきなりエクセルを捨てるのではなく、
既存のエクセルをそのまま生かしながら、一部の集計や進捗管理だけシステムに置き換え
↓
システム側の仕組みに慣れてきたら、エクセルの役割を徐々に減らす
という段階的な進め方が、現場にも負担が少なく、定着しやすいです。
5.ステップ③:周辺システムとの連携を見据える
ミニ生産管理システムが回り始めたら、 次に考えたいのが「周辺システムとの連携」です。
- 販売管理システムとの受注データ連携
- 在庫管理・購買システムとの発注・入庫データ連携
- 会計システムとの売上・原価連携
最初からすべてをつなぐ必要はありませんが、
「将来的に、どのシステムとつなぐ可能性があるか」
を意識して設計しておくことで、
後から大きな改修が必要になるリスクを減らすことができます。
6.マクティズムがお手伝いできること
マクティズムでは、中小製造業のお客さま向けに、
- エクセル/Accessで運用している生産管理の現状ヒアリング
- 業務フローの見える化(要件分析)
- 小さく始めるミニ生産管理システムの設計・開発
- 将来の全体構想(どの順番でシステム化するか)のご提案
といった形で、「業務の整理」から「開発」まで一気通貫で支援しています。
「パッケージ製品の比較から始める」のではなく、
自社の業務と現場の状況に合わせた“現実的な一歩”を一緒に考えるところからスタートします。
7.まとめ&次の一歩(ご相談のご案内)
エクセル生産管理は便利ですが、会社の成長とともに“限界”が見えやすい
- いきなり大規模なパッケージを導入する前に、 業務フローと困りごとを見える化 することが大切
- まずは“ミニ生産管理システム”から始め、 徐々にエクセルの役割を減らしていく進め方がおすすめ
- 将来的な周辺システムとの連携も意識しておくと、ムダな投資を避けられる
「うちの生産管理も、エクセルで限界を感じている…」
「何から手を付ければ良いか整理したい」
という場合は、
まずは現状のヒアリングと簡易アドバイスからでも、お気軽にご相談ください。
御社の状況に合わせて、ムリのない“最初の一歩” を一緒に考えさせていただきます。
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